1. 購入目的と予算の明確化
アメリカで不動産を購入する目的を明確にします。
・投資目的(賃貸収入・値上がり益狙い)
・セカンドハウスや移住用
・法人資産としての活用
購入の目的が決まれば、それに応じた予算設定が必要です。自己資金で購入するのか、ローンを利用するのかも重要なポイントになります。外国人がアメリカの銀行からローンを組むことも可能ですが、審査基準が厳しく、金利も高めです。
2. 不動産市場のリサーチ
アメリカの不動産市場はエリアごとに異なります。
・カリフォルニア州・ニューヨーク州 → 価格が高騰しやすいが、安定した需要あり
・フロリダ州・テキサス州 → 価格が比較的安く、税制面のメリットもある
・ハワイ州 → 観光需要が強く、リゾート物件として魅力的
このように、投資の目的に応じた地域選びが重要になります。
3. 現地の不動産エージェントを探す
アメリカでは、不動産エージェント(Realtor)が売買の仲介を行います。日本のように個人で物件を探すのではなく、エージェントを通して物件を紹介してもらうのが一般的です。
・日系エージェントや日本語対応のエージェントを活用するとスムーズ
・過去の取引実績や口コミをチェックし、信頼できるエージェントを選ぶ
MLS(Multiple Listing Service)という全米の物件情報が掲載されたデータベースを利用できるため、エージェントを通じて多くの物件を比較検討できます。
4. 物件の選定と内見
興味のある物件をリストアップしたら、エージェントとともに現地視察を行います。
・物件の状態(築年数、修繕履歴、間取り)
・周辺環境(治安、学校、商業施設)
・管理費や固定資産税の金額
海外からの購入で直接内見が難しい場合は、ビデオ通話を利用したバーチャル内見を活用することもできます。
5. 購入オファーの提出
購入したい物件が決まったら、売主に対してオファー(購入希望価格)を出します。
オファー内容には以下の情報が含まれます。
・希望購入額
・契約条件(修繕費の負担、支払い方法など)
・クロージング(売買完了)のスケジュール
売主がオファーを受け入れれば契約が進みますが、交渉が必要なケースもあります。
6. エスクロー(Escrow)の開設
オファーが受理されたら、エスクロー(Escrow)と呼ばれる第三者機関が取引の管理を行います。
エスクローの役割は、
・売主と買主の資金や書類を管理
・契約条件が満たされたことを確認後、所有権移転を実行
この仕組みにより、双方が安全に取引を進められます。
7. 物件の検査(ホームインスペクション)
契約が進むと、物件の状態を確認するための**ホームインスペクション(住宅診断)**が実施されます。
・配管や電気系統の不具合チェック
・白アリ被害やカビの確認
・屋根や基礎部分の損傷調査
重大な欠陥が見つかった場合は、売主に修理を依頼するか、価格交渉をすることが可能です。
8. 資金の準備とローン契約(必要な場合)
現金購入の場合は、エスクローの指定口座に入金します。
ローンを利用する場合は、銀行と正式な契約を結び、審査を完了させます。
・外国人向けのローンは金利が高く、頭金が50%以上必要な場合もある
・日本の銀行でドル建て融資を受ける方法も検討する
9. 最終確認(Final Walkthrough)
クロージング前に、物件の最終確認を行います。
・契約内容通りの修繕が完了しているか
・家具や設備の破損がないか
・引き渡しの準備が整っているか
問題がなければ、正式に契約手続きを進めます。
10. クロージング(所有権移転)
全ての手続きが完了すると、エスクロー会社が資金の振込を実行し、物件の所有権が買主に移転されます。
・登記書類にサイン
・鍵の受け取り
・管理費や固定資産税の支払い準備
これで、アメリカ不動産の購入が完了です。