最新情報

アメリカ不動産投資の最新情報をロサンゼルスからお届けします

日本とぜんぜん違うアメリカの「築年数」事情

日本で家探しをする場合、多くの人が「築年数」を条件に入れるはず。日本では物件の価値の大きな指標となる築年数ですが、アメリカではかなり考え方が違います。

1. 住宅の平均寿命と中古市場の違い

日本の住宅は、取り壊されるまでの平均築年数が約30年とされています。 ​一方、アメリカでは約55年であり、アメリカの住宅は日本よりも長寿命となっています。

なお、55年というのは全米での平均値です。ロサンゼルスで実務をしていると、それよりも遥かに古い建物に多く出会います。都心では築年が1930年代というのも珍しくありません。

日本では、新築住宅の流通が全体の約8割を占めています。​これに対し、アメリカでは新築の流通は約2割程度であり、残りの8割は中古住宅が占めています。 ​この違いは、アメリカでは中古住宅の価値が維持されやすい市場環境が整っていることを示しています。​

日本では高度経済成長期に大量に住宅が供給され、政府も持ち家の促進を進めてきました。最近でこそ新築住宅への需要は下がりつつあるものの、アメリカと比べると新築への需要が高く、中古市場の活性化が課題となっています。

ちなみに、ロサンゼルス市内では現在、新築アパート(約50~100ユニット)の建設が増えています。住宅価格や家賃の高騰で、低所得者向けの住宅不足の問題が深刻化しており、行政のバックアップのもとで、ユニット数が多いアパートの建築が進められています。

当社では、こうした新築アパートの投資案件も扱っております。行政が関わっていることで、低リスクかつ安定的な収益が期待でき、非常に魅力的な投資対象です。ご興味がある方はぜひご相談ください。

2. 減価償却の取り扱い

日本では、木造住宅の法定耐用年数が22年(業務用)と定められており、築22年を超えると建物の価値は税務上ゼロと見なされます。​一方、アメリカでは、建物の構造ではなく使用目的によって耐用年数が決まり、居住用不動産の場合、減価償却期間は27.5年とされています。​

日本では、中古物件の場合、経過年数に応じて耐用年数を計算しますが、アメリカでは年数にかかわらず減価償却期間が27.5年となるのが特徴です。

3. 住宅の価値の捉え方

日本では、築年数が経過するごとに建物の価値が下がるのが一般的です。​​しかし、アメリカでは、築年数が経過するほど建物の価値が上昇する傾向があります。​過去40年間の平均的な中古住宅価格は約8倍程度で推移しており、10年で約2倍になることもあります。

4. 住宅のメンテナンスと長寿命化

アメリカの住宅が長寿命である背景には、適切なメンテナンスや修繕が行われていることが挙げられます。​例えば、屋根や配管、空調設備などの定期的な点検や修繕を行うことで、建物の資産価値を維持し、長期間にわたり使用することが可能となっています。 ​

実際に、アメリカ人が住まいを探す際は築年数を気にする人は多くなく、それよりも立地やメンテナンス状態、設備や建物の構造そのものを重視する場合がほとんどです。

これらの違いは、住宅に対する価値観や市場の構造、税制上の取り扱いなど、さまざまな要因が影響しています。​アメリカでの不動産投資を検討する際には、これらの点を理解し、長期的な視野での資産形成を目指すことが重要です。