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世界初のAIアート専門美術館が2025年にLAに誕生

出典:DATALAND

2025年、ロサンゼルス・ダウンタウンに位置する大型複合施設「The Grand LA(ザ・グランドLA)」に、世界初のAIアート専門ミュージアム「Dataland(データランド)」が誕生します。これまでの美術館とはまったく異なる、AIを軸に据えた最先端の芸術空間として、すでに世界中から注目が集まっています。

世界初のAIアート専門ミュージアム

このミュージアムの創設者は、トルコ出身でロサンゼルス在住のAIアーティスト、レフィク・アナドル氏です。彼はUCLAの教授でもあり、AIを用いて自然現象や都市の膨大なデータを「生きたアート」に変換する第一人者として知られます。データランドでは、彼の代表的な作品「Large Nature Model(大自然モデル)」をはじめとする、まるで自然が呼吸しているかのような没入型のアート体験が提供されます。

展示空間は約1,860㎡と広大で、天井高も9mと開放感があります。ここではAIが解析したアマゾン熱帯雨林の樹木スキャン、NASAの地球観測データ、スミソニアン博物館のコレクションなど、5億点以上のビッグデータを素材として利用。これをAIが再構成し、巨大なLEDスクリーン上で常に流動し続ける映像作品として観客を包み込みます。さらに、視覚だけでなく、音響、振動、匂いまで取り入れた五感すべてを刺激する体験が可能です。AIが合成する香りは約50万種の香分子から独自調合されており、来場者ごとに微妙に異なる香りの空間が生まれるのだとか。

また、館内には「リビング・エンサイクロペディア(生きた百科事典)」と呼ばれるAI対話システムも導入予定です。来場者はAIと直接対話しながら、自然や生命に関する膨大な情報を探索できます。これまで「観る」だけだった美術館が、「体験し、学び、対話する」場へと進化しているそう。

LAのダウンタウンがテック&クリエイティブの拠点に

このように最先端テクノロジーとアートが融合することで、ロサンゼルスのダウンタウンはさらに「テック&クリエイティブ拠点」としての存在感を高めそうです。実際、ザ・グランドLA周辺はすでにウォルト・ディズニー・コンサートホール、現代美術館(MOCA)、The Broad(ザ・ブロード)など文化施設が密集しており、「カルチャー・コリドー(文化回廊)」と呼ばれるほどのアートエリアとなっています。データランドの開業はこの流れをさらに加速させると思われます。

不動産投資の観点から見ても、こうした大型文化施設の登場は周辺相場に明確な影響を及ぼします。ザ・グランドLA自体もすでに高級賃貸タワーが満室に近い人気を誇り、開発後の地価は右肩上がりに推移しています。今後はデータランドを目当てに訪れる観光客、IT人材、クリエイター、スタートアップ企業の流入が進むことで、商業施設や高級住宅の需要はさらに高まり、ダウンタウン全体が投資家にとって魅力的なエリアへと成長していくと予測されています。

ザ・ブロード By DlluOwn work, CC BY-SA 4.0, Link