ロサンゼルスにおける新築分譲マンション(コンドミニアム)投資は、日本人投資家からも注目される分野です。戸建て住宅に比べて管理が容易であり、立地の良さやブランド力から安定した需要が見込める一方、価格や利回りには独自の特徴があります。今回は、価格帯と利回りの現状を中心に整理します。
分譲マンションの中央値は1億3000万円
まず価格帯から見ていきましょう。ロサンゼルスの分譲マンションは近年値上がりを続け、2025年現在の中央値はおよそ90万ドル(約1億3000万円)に達しています。中心部の新築高層コンドミニアムは特に価格が高く、2ベッドルームで80〜120万ドル、高級物件では200万ドルを超えることも珍しくありません。一方で、ワンルームや1ベッドルームの小型ユニットは50〜70万ドル台から購入可能なケースもあり、投資額に応じて幅広い選択肢が存在します。
次に投資利回りについて。一般的に新築コンドミニアムの利回りは年4〜6%程度とされています。ロサンゼルス全体の平均では、1ベッドルームで約5%、2ベッドルームで5〜6%が目安です。戸建てのファミリー住宅に比べると表面利回りはやや低い傾向にありますが、都市部での賃貸需要の安定性を考えれば、堅実な投資対象といえます。特に新築物件は当面の修繕リスクが低く、築浅プレミアムによって借主の人気も高いため、空室率はきわめて低い水準に抑えられています。
管理費には注意
注意が必要なのは、コンドミニアム特有のHOA(Homeowners Association)管理費です。これは建物全体の管理や共用部分の維持費に充てられるもので、毎月数百ドルから高級物件では千ドルを超える場合もあります。HOA費用は利回りを圧縮する要因となりますが、その代わり建物の清掃、セキュリティ、共用施設の維持などが専門的に行われ、遠隔地にいる投資家にとっては管理負担が大幅に軽減される利点があります。
投資リスクの面では、新築コンドミニアムは価格が割高であることが最大のポイントです。初期投資額が大きいため、短期的な転売(キャピタルゲイン)狙いには不向きであり、長期的に賃貸収入を得るインカムゲイン型投資に適しています。また、新築供給が集中したエリアでは賃料競争が起こることもあり、購入前には近隣の供給状況を確認することが欠かせません。
それでも新築コンドミニアム投資が注目されるのは、「管理のしやすさ」と「安定した需要」があるからです。ロサンゼルスは世界的に移住者や駐在員が集まる都市であり、賃貸市場は常に高い需要があります。特に都心部や主要交通機関近くのコンドミニアムは、借り手からの人気が高く、空室リスクは低水準に抑えられます。また、共用施設(プール、フィットネスジム、コンシェルジュサービスなど)が充実している物件は、富裕層や海外からの借主に好まれる傾向があります。